福岡西方沖地震から17年

福岡西方沖地震から17年

先日も東北地方で大きな地震が起きました。

地震の威力はマグニチュード7.3と、福岡西方沖地震のM7.0を超えており各地の揺れも最大で6強まで計測されました。

今回、特に揺れの周期が長いいわゆる「長周期地震動」も最大の階級4を観測したようです。

長周期地震動とは、分かりやすく例えるなら「揺れる速さ」のようなもので、揺れが左右1往復するまでの時間が長い揺れのことをいいます。

要するに揺れが「シャカシャカ」忙しく揺れているイメージではなく「グワーングワーン」とゆっくり揺れている様なイメージになります。

では「グワーングワーン」と揺れることの何が問題かというと「グワーングワーン」と揺れる振動は、長いもの(高層ビルなど)を揺らしやすい性質を持っているのです。

逆に周期が短い「シャカシャカ」した揺れは、木造二階建てなどの小さな建物を揺らしやすい性質を持っているということになります。特に近年耐震化が進み地盤及び基礎に頑丈に緊結された木造住宅などは一般の木造住宅に比べ固有周期が短く、また寺社など昔の建物(伝統構法)などは固有周期が長めだと言われています。

同じようなマグニチュードや震度であっても揺れの性質(周期)によって被災する建物は変わってくるということになります。

 

とにかくそういう知識的な事よりも避難口や避難経路、防災グッズ、携帯用バッテリーの充電などの再確認すると同時に一瞬で足のふみ場がないくらいぐちゃぐちゃにしかも停電で真っ暗になった部屋からの避難経路をリアルなイメージで共有し、家庭及び職場内での訓練を徹底しておく必要があるのかと思います。

ぜひこの3連休中にでも準備及び訓練を行ないしっかりと脳と体に叩き込んでおきましょう。

そしてできる事なら、建物の耐震化と高気密断熱化も行なって有事に備えておいてください。

先日の東北地方で発生した地震によりいくつかの火力発電所が機能しなくなりました。この影響により東京を含む東日本全体の電力需給バランスが大きく崩れてしまい、大規模停電に陥る可能性が極めて高くなりました。そして原子力発電所に頼らない日本はこれからも有事の際の大規模停電と隣り合わせがずっと続きます。

しばらくは冷暖房等がなくとも過ごしやすい季節が続くかとは思いますが、もし真冬や真夏に、今度は九州地方で地震が発生し発電所がダメージを受けたとしたら・・・

本当は、日本において地震とは「いつどこで起きてもおかしくない極めて日常的に起こりうる自然な現象」くらいの認識の方が合っているのかもしれません。