家相と風水について①

新型コロナウイルス感染症、なんだか大変なことになってきていますね。

とにかく今、私たちにできることは自分自身の免疫力を下げないようにいつも以上に体調を整えておくことくらい。それとある程度落ち着くまでは人がたくさんいる場所へのお出かけは控えた方がよさそうです。

備蓄(買い占め)は今する事ではなく普段からしておく事です。災害が起きてから慌ててする事ではありません。

まあそんなことよりも今年の花粉、一気に来ましたね。突然過ぎて薬が効かない。全然効かない。マスクもない。買占めときゃ良かったチクショウ。

 

さてと前回、時間の都合で放ったらかしにしていました「家相風水について」というテーマを、建築士という立場から少しだけ、いやザックリとお話ししたいと思います。ではスタート。

 

①そもそも家相とは何ぞや?風水とは何ぞや?

 

日本の文化って基本的には中国発祥という事なので、先ずはそこから。

孔子さんが儒教、老子さんが道教、そしてお釈迦さんが仏教を作ったというのはとても有名な話です。

儒教では聖人君子になれと説き、道教では仙人になれと説き、仏教では仏になれと説きます。

この中の道教、いわゆる仙人という存在になる上で人は様々な修行を積まなければならず、そのためには「仙道五術」といって下に示す五つの術(すべ)を習得する必要があると老子さんは言っているらしいのです。

 

一:「山」山での修行=体術(少林寺拳法や呼吸法により大自然から気を貰う)

 

ニ:「医」ケガや病気を癒す=東洋医学(針灸や漢方など)

 

三:「命」自分の資質や運命、天命、宿命を知る=運命学(九星気学や四柱推命など)

 

四:「卜」将来を見通す=易学、方位学(局所的な吉凶判断、運命を良い方向に変えるための判断ってこと?では運命とはこれ如何に・・・)

 

五:「相」いろいろな統計データに基づき真理を見抜く=環境学(手相、人相、家相、地相、風水など)

 

やっと出てきましたね、家相風水

仙人になるための修行だったんですね。ははは

 

この「相(環境学)」が日本に初めて伝わったのが西暦700年頃。そこから日本独自の進化(庭造り、鬼門説、陰陽道の方忌み・方違え、神社との関わり、畳ベースの和様式に対応など)を遂げ、現在家相を見る際に最も多く使われているであろう方位図「家相方位指南(宍戸頼母)」いわゆる家相図に至るわけです。

この家相図に登場するのが、鬼の門と書く「鬼門」と「裏鬼門(鬼門の反対側)」というやつです。そう、皆様が一番気にしておられるアレです。

 

もちろん中国本土でも風水は独自に進化をしており、老子によって始まった風水が現代の風水として完成したのは西暦1300年頃と云われています。

この700年から1300年の約600年の間に日本風水と中国風水とではそれぞれ違った意味合いを示したものになっていったと云われています。

 

鬼門って何ぞや?

これにつきましては「鬼門説(新井白石)」というどちらも苗字?のような方が書かれたとても有名な著書があります。

それによりますと、鬼門という言葉は「山海経(中国の伝統的な図書)」に登場するようです。

因みにこの「山海経」とは、中国に存在するそれぞれの山や海で育つ植物や動物、鉱物、神、妖怪などを纏めた書物で、内容の正当性や真偽についての評価は有識者の間でもうーんといった感じのものらしいです。

 

「東海の度索山という地に、大なる桃の三千里に渡って曲がりくねる樹がありその低い枝が東北に向かうを鬼門という。この所は諸々の鬼の出入りする所で神荼・鬱塁という二神がいて悪鬼を捉えて虎の餌にする。黄帝はこれに習って桃の枝を門戸にさして神荼・鬱塁の二神を描いて諸々の凶鬼を塞ぐ(山海経)」

 

おう、ここで一気にきましたね。

鬼門、しかも東北、桃までも。

この数行で鬼門から東北、桃太郎、ひな祭り、鬼のパンツ・・・情報が錯綜しています。

 

では百歩譲って、日本にもどこかに「東海の度索山」という地があったとしましょう。そしてそこに延々と続く桃の樹があったとしましょう。その桃の樹の低い枝が東北の方角を向いていたとしましょう。そっちは鬼門です。なのでその反対は裏鬼門方向となります。恐らく東海(地方?)の山なので、九州方面は基本的に全体が裏鬼門方向となってしまうかも。あ、でもそちらの方面は、美味しいきびだんごに操られた十二支(申・酉・戌)と桃尻少年とで構成された鬼殺隊が岡山周辺で守ってくれるので大丈夫です。彼らは、悪い鬼を捕まえた時には一旦頸を切り落とし虎の餌にしますが、良い鬼に対しては虎の毛皮で誂えたイイパンツをプレゼントします。もし桃太郎の護衛範囲が九州地方まで及ばなかったとしても大丈夫。桃の枝を家の門戸に挿しておけば、魔よけの代わりになります。最近は藤の花でもいいのかな?鬼は穢れを好みますので、これからの時期はお雛様を押入れから出してきて、自分の中にある穢れをその愛らしい人形に身代わりとして背負わせるといったなかなかエグい方法をとってみても良いかもしれませんね(胡蝶風)

続きはまた次回

 

写真は鬼門の守護神、神荼と鬱塁