キラーパルスの続き・・・

ハァ・・蒸し暑すぎ

この時期の耐震診断やホームインスペクション(住宅診断)はマヂでヤバイんです。

暑さと湿気で断熱されてない屋根裏はまさにスチームサウナ。そして床下に関してはもうゴk・・これ以上はやめておきましょう。

ぜひとも皆様には気候がある程度落ち着いてからの調査依頼を心よりお願いしたく申し上げます。

私が床下侵入したことによって彼らが部屋内へと移動するのもねえ・・(脅し)

 

ではさっそくキラーパルスの残りを片付けていきたいと思います。

木造を大きく揺らす地震波周期その名も「キラーパルス」は周期1〜2秒。それに対し造りたての一般的な木造2階建てが持っている固有周期は0.3〜0.5秒。

あれ?周期、全然一致しないじゃん。共振しないじゃん。マヂ理解不能。という内容だったかと思います。

 

もう気付かれた方もいるかと思いますが、造りたての建物は釘もネジもガッチリ締まっていてそれなりに頑丈なのです。造りたての建物はね・・

建物の固有周期は主に高さ、構造方法、上階の重さなどによって決まります。

 

①1mの塩ビ管

②2mの塩ビ管

③1mの塩ビ管の先端に重い粘土をくっつけたもの

④1mの棒を超硬い石で造ったもの

⑤1mの高さの超硬い石で造ったピラミッド

 

なんとなくイメージしていただけると分かるかと思いますが、左記の①〜⑤の中ではパッと見で②と③の固有周期が長そうだってことが分かりますよね?

そして⑤は明らかに頑丈でゆっくりの周期で揺らしても壊れ難そうですよね?逆に強い力で細かくガシガシ揺らしてあげるとボロボロ崩れてきそうな感じ?

こんな感じで、造りたての建物はいわゆる⑤のような頑丈な仕上がりなのです。ところが、日々の微振動や中等度の地震または巨大地震の前震や複数回の揺れに晒されることによって、竣工直後はきちんとくっついていた釘やネジに少しだけ緩みが出てしまいガッチリとまではいかなくなるのです。するとガッチリの時には少々の揺れでも元通りの形状を保っていたものが、緩んでしまったことで元には戻れなくなり形状を保てない柔らかい建物へと変化してしまうのです。この釘やネジなどで締付けた接合部が緩んでしまった時の固有周期は1〜2秒くらいにまで延びてしまうのです。いわゆるキラーパルスと呼ばれる一致し共振する周期に・・

 

ふ~ここまで息継ぎなし。

 

耐震、そもそも揺れに対して建物をガッチリと作って耐えるだけでは厳しいんだなって事がよく分かったかと思います。

だからこそ「制震装置」や「免震構造」などというキラーパルスを(周期)を変えたり、建物に掛かる地震の揺れを軽減して地震から建物を守る装置がどんどん市場に出てきているのです。

 

皆さまの家は14年前の福岡県西方沖地震で揺られ釘やネジが緩んでいませんか・・・?

 

※写真は先週末のアジゴとサバゴと超ラッキー